2025年 新年の挨拶
令和7年1月3日
世界が激動の年となった昨2024年、在バルセロナ日本国総領事館が所在するカタルーニャ州では、5月の州議会選挙に伴い、8月に新たな州政府が発足しました。昨秋からは、新しい環境の下で同州政府関係者との対話を重ね、本年春~明年春を「日本・カタルーニャ交流年」と定め、15年超にわたる「プラン・ハポン」の更なる深化も含め、分野の制限を設けず、交流と協力を相互に深めていくことを確認しました。本2025年も、多くの方々に日本文化に触れていただくとともに、バレアレス州、カタルーニャ州及びバレンシア州の皆様に、様々な側面で日本と接点を持っていただき、日本をより身近に、親しみをもって感じていただけるように取り組んで参ります。
昨年の元旦には能登半島で大きな地震があり、多数の犠牲者と甚大な被害が発生しました。その際、当地の皆様からいただきましたお見舞いや励ましに改めて感謝申し上げます。その一方で、8月に自衛隊練習艦隊が初めて寄港し日本との友好を深めたバレンシアでは、大変残念なことに、10月、大水害により、多くの命が奪われ、未曾有の被害がもたらされました。被災者の皆様に重ねて心からのお見舞いを申し上げます。12月には、バレアレス州政府の迅速な対応のお陰で、早速、緊急事態発生時の協力体制の更なる強化につき会合を持ちました。多くの自然災害を経験する日本として、スペインの皆様とこの分野でも一層の対話と協力を深めてまいりたいと思います。そして、総領事館として、在留・居住される邦人及び邦人旅行者の皆様が、災害時の不安や治安面での懸念に直面する機会を極力減じ、安全が確保されるよう、一層気を引き締めて取り組んでまいりたいと思います。
昨年3月の着任以来、各地を訪問いたしましたが、外務本省でスペインを担当していた四半世紀前と比べて、日本とスペインとの友好・協力関係が、様々なレベルで、そして自然な形で大きく発展・深化していることを強く感じる毎日でした。
カタルーニャ州では、市のレベルで年間11件を数える日本祭りが、現地の方々や市役所のイニシアティブで自発的に開催されていることは大きな驚きでした。うち、ボランティアが盛り上げてきた「バルセロナ夏祭り」は第10回を迎え4万人の来場者数を記録しました。本年で第30回を迎えた「マンガ・バルセロナ」は、16万7千人が来場し、マンガ・アニメ以外の日本の文化も含めた理解の深化に大きく貢献しています。こうした交流を積み重ねてこられた日本・スペイン双方の関係者に心からの敬意を表します。
日本の企業や自治体の関係者、学術、芸術、そしてサッカーの関係者も、年間を通じて数多くお越しになられました。当地でスマートシティや食品関係等の大規模な展示会が開催されることも、人々の往来が活発にしています。
当地からも、カタルーニャ州政府の経済ミッションのほか、企業関係者、多くの芸術関係者が訪日しています。そして、「日本に行きました!」「これから行ってきます!」という言葉を聞かない日はないくらい、多くのスペイン人が観光やワーキング・ホリデー制度で日本に滞在されています。
そして、すっかり日常に根付いた日本食が、時には誕生日や記念日のプレゼントとして選ばれていることも嬉しく晴れがましく思います。昨秋には、バルセロナで「日本酒」の普及促進イベントを行い、関係者の御尽力により20の現地食のレストランや若者の集まるフェスト等で提供しました。昨年12月の日本の「伝統的酒造り」のユネスコ無形文化遺産登録を受けて、本年は日本産酒類が日本食と同様に一層の広がりを見せることを願い、積極的に取り組んでまいりたいと思います。
2025年は、4月から大阪・関西万博が開催されます。昨年12月には当地にマスコットのミャクミャクが来訪しました。ミャクミャクという名前は、過去から未来に「脈々」と受け継がれる人間の知恵と技術、歴史や文化を表し、マスコットの赤い色は人間の生命を、丸と丸の繋がりは人類が国際社会で繋がっているさまを象徴しているそうです。そして青い色は、聞くところによれば、人間の生命にとって大切な「水」を表しているとのことです。国際社会の厳しい分断や山積する地球規模の課題を、人々が手を取り合って共に乗り越え、未来の社会を創造する場を提供する万博。そこには、スペイン政府のパビリオンも出展され、各州のPRウィークも行われる予定です。
本年、共通の課題に取り組む意思と技術力と経験を備えた日本とスペインの間で、交流が益々活性化し、相互に新たな魅力を発見し、協力の芽が育まれることを期待します。総領事館館員一同、様々な分野における関係の発展のために、引き続き、「力と思慮深さと勇気とバランス感覚」の「人間の塔」4要素を心に念じつつ、先に進んで参りたく、御理解と御協力のほど、よろしくお願いいたします。
昨年の元旦には能登半島で大きな地震があり、多数の犠牲者と甚大な被害が発生しました。その際、当地の皆様からいただきましたお見舞いや励ましに改めて感謝申し上げます。その一方で、8月に自衛隊練習艦隊が初めて寄港し日本との友好を深めたバレンシアでは、大変残念なことに、10月、大水害により、多くの命が奪われ、未曾有の被害がもたらされました。被災者の皆様に重ねて心からのお見舞いを申し上げます。12月には、バレアレス州政府の迅速な対応のお陰で、早速、緊急事態発生時の協力体制の更なる強化につき会合を持ちました。多くの自然災害を経験する日本として、スペインの皆様とこの分野でも一層の対話と協力を深めてまいりたいと思います。そして、総領事館として、在留・居住される邦人及び邦人旅行者の皆様が、災害時の不安や治安面での懸念に直面する機会を極力減じ、安全が確保されるよう、一層気を引き締めて取り組んでまいりたいと思います。
昨年3月の着任以来、各地を訪問いたしましたが、外務本省でスペインを担当していた四半世紀前と比べて、日本とスペインとの友好・協力関係が、様々なレベルで、そして自然な形で大きく発展・深化していることを強く感じる毎日でした。
カタルーニャ州では、市のレベルで年間11件を数える日本祭りが、現地の方々や市役所のイニシアティブで自発的に開催されていることは大きな驚きでした。うち、ボランティアが盛り上げてきた「バルセロナ夏祭り」は第10回を迎え4万人の来場者数を記録しました。本年で第30回を迎えた「マンガ・バルセロナ」は、16万7千人が来場し、マンガ・アニメ以外の日本の文化も含めた理解の深化に大きく貢献しています。こうした交流を積み重ねてこられた日本・スペイン双方の関係者に心からの敬意を表します。
日本の企業や自治体の関係者、学術、芸術、そしてサッカーの関係者も、年間を通じて数多くお越しになられました。当地でスマートシティや食品関係等の大規模な展示会が開催されることも、人々の往来が活発にしています。
当地からも、カタルーニャ州政府の経済ミッションのほか、企業関係者、多くの芸術関係者が訪日しています。そして、「日本に行きました!」「これから行ってきます!」という言葉を聞かない日はないくらい、多くのスペイン人が観光やワーキング・ホリデー制度で日本に滞在されています。
そして、すっかり日常に根付いた日本食が、時には誕生日や記念日のプレゼントとして選ばれていることも嬉しく晴れがましく思います。昨秋には、バルセロナで「日本酒」の普及促進イベントを行い、関係者の御尽力により20の現地食のレストランや若者の集まるフェスト等で提供しました。昨年12月の日本の「伝統的酒造り」のユネスコ無形文化遺産登録を受けて、本年は日本産酒類が日本食と同様に一層の広がりを見せることを願い、積極的に取り組んでまいりたいと思います。
2025年は、4月から大阪・関西万博が開催されます。昨年12月には当地にマスコットのミャクミャクが来訪しました。ミャクミャクという名前は、過去から未来に「脈々」と受け継がれる人間の知恵と技術、歴史や文化を表し、マスコットの赤い色は人間の生命を、丸と丸の繋がりは人類が国際社会で繋がっているさまを象徴しているそうです。そして青い色は、聞くところによれば、人間の生命にとって大切な「水」を表しているとのことです。国際社会の厳しい分断や山積する地球規模の課題を、人々が手を取り合って共に乗り越え、未来の社会を創造する場を提供する万博。そこには、スペイン政府のパビリオンも出展され、各州のPRウィークも行われる予定です。
本年、共通の課題に取り組む意思と技術力と経験を備えた日本とスペインの間で、交流が益々活性化し、相互に新たな魅力を発見し、協力の芽が育まれることを期待します。総領事館館員一同、様々な分野における関係の発展のために、引き続き、「力と思慮深さと勇気とバランス感覚」の「人間の塔」4要素を心に念じつつ、先に進んで参りたく、御理解と御協力のほど、よろしくお願いいたします。
令和7年1月3日
在バルセロナ日本国総領事
四方 明子