着任の挨拶
令和6年4月25日

スペイン国カタルーニャ州、バレンシア州、バレアレス州の皆様、
この度、在バルセロナ日本国総領事として着任しました四方明子(しかた あきこ)です。
外務省勤務を希望しました一つのきっかけは、私が高校生の時に、父親がバレンシアとバルセロナに出張し、世にも美しい光に満ちた風景の写真を数多く持ち帰ったことでした。外務省員としてマドリードにて研修した2年目には、偶然バルセロナ出身の女性とアパートをシェアし、何度もカタルーニャとマジョルカを訪れ、その後も家族ぐるみのおつきあいが続いています。そして1994年、当時の天皇皇后両陛下のスペイン御訪問に随行してバルセロナとマジョルカを訪問しました。その後の4年間はスペイン担当も務め、現在も続く両国間の幾つかのプロジェクトの立ち上げに関わりました。特別な御縁を感じておりますこの地で、総領事として勤務できますことは、大変嬉しく、名誉なことです。
まず、在留邦人の皆様の安全とより良い生活のために、総領事館として意を用い、サービスを一層充実させて参りたいと思います。
さらに、特に取り組みたいと考えている分野が3つあります。
それは、日系企業の支援、文化交流と理解の促進、日本の存在感を一層高めることです。
在バルセロナ日本国総領事館の管轄地域は、スペインの中でも日系企業の進出、投資が活発であり、日本との繋がりが強い地域です。「垣根のない総領事館」として、日系企業の皆様と緊密に連携し、現地社会の最前線に立つ日系企業が存分に力を発揮できる環境作りをお手伝いしたいと考えます。このことは、これまでの外務省勤務において、経済を担当した時もそうですが、政務や文化を担当した際にも、常に念頭においてきたことでした。また、近年は、日本でもデジタルやスマートシティ推進等の分野で新たな担い手が活躍しておりますので、先進的な取組のハブを自認するこの地域との橋渡し役を少しでも担えればと思います。
この地域には、芸術を育み、文化交流の重要性を理解する方々が数多くいらっしゃいます。文化人にとっては憧れの場所で、たくさんの日本人が素晴らしい活動をされていらっしゃいます。それに加えて、日本を心から愛し協力を惜しまないスペイン人が当地にはなんと多いことか!これは、着任後に肌で感じている、嬉しい驚きです。実際に、近年、バルセロナ市やバレンシア市以外にも、いくつかの市町村で、地元の方々や市役所が主体的に「日本祭り」「桜祭り」を開催するようになりました。また、公立中学校で第二外国語として日本語を選択科目に採用する動きも広がりつつあります。総領事館として全力でこれらを応援しております。そして、和食の浸透や日本酒への関心も近年とみに高まっております。これらのさらなる普及にも進んで取り組んでいきたいと考えます。
また、バルセロナは、伝統的に出版社やメディアの集積地です。昨今では、多様な分野の展示会を積極的に開催し世界の人々を集める土地でもあります。この魅力的な環境を活かし、伝統に根ざした日本の良さや新しい日本の姿が発信されるよう、総領事館として一層力を尽くしたいと思います。そのためには、在留邦人や日系企業の皆さまの御協力、そして当地の自治体や機関、文化・経済・教育関係者との連携が不可欠です。また、日本の自治体や文化・経済・教育関係者の優れたイニシアティブを支援し、またお力添えをいただくことも重要です。言い換えますと、それぞれの分野で日々活動をされておられる両国の関係者の連携と協働を効果的にお支えすることが、総領事館に課された最重要の役割の一つであり、結果として必ずや当地における日本のプレゼンスを高めることに繋がると確信しております。
つい先日、castell ―人間の塔― を地元のグループが練習しているのを目撃しました。老若男女が声をかけあって丸いピラミッドのように3段、5段と積み上がっていく姿に感動しました。調べてみると、力と思慮深さと勇気とバランス感覚の4要素が必要で、積み上げと下ろす過程の両方が上手くいって初めて成功なのだそうです。日本の価値観にも通じるものがあるように思いました。
皆様がこれまで築いてこられた友好親善や交流の灯を大切にし、絆をさらに強固なものにしていけるよう、総領事館の持てる力と知恵を少しでも高め、必要な時には勇気と、そしてバランス感覚をもって、精一杯取り組みたいと思いますので、御支援・御協力をよろしくお願い申し上げます。お気付きの点がございましたら、お気軽に当館まで御連絡ください。
令和6年3月16日
この度、在バルセロナ日本国総領事として着任しました四方明子(しかた あきこ)です。
外務省勤務を希望しました一つのきっかけは、私が高校生の時に、父親がバレンシアとバルセロナに出張し、世にも美しい光に満ちた風景の写真を数多く持ち帰ったことでした。外務省員としてマドリードにて研修した2年目には、偶然バルセロナ出身の女性とアパートをシェアし、何度もカタルーニャとマジョルカを訪れ、その後も家族ぐるみのおつきあいが続いています。そして1994年、当時の天皇皇后両陛下のスペイン御訪問に随行してバルセロナとマジョルカを訪問しました。その後の4年間はスペイン担当も務め、現在も続く両国間の幾つかのプロジェクトの立ち上げに関わりました。特別な御縁を感じておりますこの地で、総領事として勤務できますことは、大変嬉しく、名誉なことです。
まず、在留邦人の皆様の安全とより良い生活のために、総領事館として意を用い、サービスを一層充実させて参りたいと思います。
さらに、特に取り組みたいと考えている分野が3つあります。
それは、日系企業の支援、文化交流と理解の促進、日本の存在感を一層高めることです。
在バルセロナ日本国総領事館の管轄地域は、スペインの中でも日系企業の進出、投資が活発であり、日本との繋がりが強い地域です。「垣根のない総領事館」として、日系企業の皆様と緊密に連携し、現地社会の最前線に立つ日系企業が存分に力を発揮できる環境作りをお手伝いしたいと考えます。このことは、これまでの外務省勤務において、経済を担当した時もそうですが、政務や文化を担当した際にも、常に念頭においてきたことでした。また、近年は、日本でもデジタルやスマートシティ推進等の分野で新たな担い手が活躍しておりますので、先進的な取組のハブを自認するこの地域との橋渡し役を少しでも担えればと思います。
この地域には、芸術を育み、文化交流の重要性を理解する方々が数多くいらっしゃいます。文化人にとっては憧れの場所で、たくさんの日本人が素晴らしい活動をされていらっしゃいます。それに加えて、日本を心から愛し協力を惜しまないスペイン人が当地にはなんと多いことか!これは、着任後に肌で感じている、嬉しい驚きです。実際に、近年、バルセロナ市やバレンシア市以外にも、いくつかの市町村で、地元の方々や市役所が主体的に「日本祭り」「桜祭り」を開催するようになりました。また、公立中学校で第二外国語として日本語を選択科目に採用する動きも広がりつつあります。総領事館として全力でこれらを応援しております。そして、和食の浸透や日本酒への関心も近年とみに高まっております。これらのさらなる普及にも進んで取り組んでいきたいと考えます。
また、バルセロナは、伝統的に出版社やメディアの集積地です。昨今では、多様な分野の展示会を積極的に開催し世界の人々を集める土地でもあります。この魅力的な環境を活かし、伝統に根ざした日本の良さや新しい日本の姿が発信されるよう、総領事館として一層力を尽くしたいと思います。そのためには、在留邦人や日系企業の皆さまの御協力、そして当地の自治体や機関、文化・経済・教育関係者との連携が不可欠です。また、日本の自治体や文化・経済・教育関係者の優れたイニシアティブを支援し、またお力添えをいただくことも重要です。言い換えますと、それぞれの分野で日々活動をされておられる両国の関係者の連携と協働を効果的にお支えすることが、総領事館に課された最重要の役割の一つであり、結果として必ずや当地における日本のプレゼンスを高めることに繋がると確信しております。
つい先日、castell ―人間の塔― を地元のグループが練習しているのを目撃しました。老若男女が声をかけあって丸いピラミッドのように3段、5段と積み上がっていく姿に感動しました。調べてみると、力と思慮深さと勇気とバランス感覚の4要素が必要で、積み上げと下ろす過程の両方が上手くいって初めて成功なのだそうです。日本の価値観にも通じるものがあるように思いました。
皆様がこれまで築いてこられた友好親善や交流の灯を大切にし、絆をさらに強固なものにしていけるよう、総領事館の持てる力と知恵を少しでも高め、必要な時には勇気と、そしてバランス感覚をもって、精一杯取り組みたいと思いますので、御支援・御協力をよろしくお願い申し上げます。お気付きの点がございましたら、お気軽に当館まで御連絡ください。
令和6年3月16日
在バルセロナ日本国総領事
四方 明子