日・カタルーニャ関係 全般

 日本とカタルーニャ州の歴史上最初の接触は、スペイン人宣教師等の影響を受けて改宗した天正少年使節団や支倉常長が、ローマ法王やスペイン国王への謁見の道中にバルセロナ市やモンサラート修道院を訪れた、16世紀末~17世紀初めに遡ります。

 当時のスペインは新大陸に植民地を持つ世界有数の大国で、徳川家康もフィリピンやヌエバ・エスパーニャ(メキシコ)を通じてスペインとの接触を持とうとしたことは知られていますが、カタルーニャは新大陸との交易から外されていたため、日本とスペインの関係の中でカタルーニャはほとんど登場することはありません。また、日本も鎖国の時代に入り、長らくスペインとの関係もなくなりました。

 日本とスペインとの国交が開かれるのは明治時代になってからですが、マドリードに日本の公使館が設置された1900年(明治33年)当時のスペインは、米西戦争(1898年)に敗れ、最後の植民地を失うなど、国力が衰退している時代にあり、カタルーニャを含めたスペイン全体との関係がさほど強まることはありませんでした。

 その後、第二次世界大戦において中立国となったスペインがアメリカにおける日本の利益代表国となったことで、日本とスペインとの間に一定の政治関係が生じました。しかし、当時のフランコ政権下、政治・社会的にも立場を弱くしていたカタルーニャとの関係はほとんどありませんでした。

 こうした経緯もあり、カタルーニャと日本が急速に関係を強めたのは、1970年-80年代になって日本企業がカタルーニャに進出を始めてからといえます。バルセロナに日本国総領事館が設置されたのは1987年のことですが、これにはこうした日本・カタルーニャ関係の進展が背景にあります。

 現在では、カタルーニャと日本の間には大変強い経済関係が築かれているのみならず、カタルーニャには多くの日本人観光客が訪れるようになりました。また、カタルーニャは中世以来の地中海貿易の経験によると思われる、海外に開かれた土地柄を有しており、そのため、スペインの中でも特にアジアへの関心が高い地域となっています。日本に関しては、単に経済のみならず、文化(伝統文化から漫画、ポップカルチャーに至るまで)にも高い関心を持っているため、今後互いの距離は益々近づくものと期待できます。

 2018年は日本・スペイン外交関係樹立150周年にあたり、さまざまな文化交流事業が企画されておりますところ、こうした活動を通じて両国関係がより一層緊密なものとなることが期待されます。