日・カタルーニャ関係 経済

(1)日系企業進出

19世紀にスペイン各地方に先駆けて産業革命が進んだカタルーニャ州では、伝統的に工業基盤が確立されていた上、大規模な商業港を有する立地の利便性があるため、EC加盟前には、欧州の他諸国と比べ低廉な人件費も魅力となって、多くの外資系企業を誘致してきました。

日系企業も欧州進出への足がかりとして、1960年代後半からカタルーニャ州に進出を始め、1970年代に入ると日系企業が次々に生産拠点を立ち上げたことで、両地域の経済関係は急速に進展し、80年代後半から90年代前半にそのピークを迎えました。日系企業の当地進出に当たっては、積極的に外国投資誘致政策を進めたジョルディ・プジョール元州知事による協力があったことも特筆するべきでしょう。1987年には当館が開館し、日本では、州政府工業庁企業情報局(CIDEM)や州政府工業庁貿易促進局(COPCA)の代表事務所(2008年、両者は“Acc1ó”の名の下に統合)が東京に設立され、両経済関係はますます緊密化しました。現在カタルーニャには約180社の日系企業が拠点を置いていますが、その数はスペインに進出している日系企業総数の半数以上に相当することからも、カタルーニャ州は、日本とスペインの経済関係において、非常に重要な地域であると言えます。

近年カタルーニャ州では、労働コストがより低廉なアジアや東欧へ外資企業が移転するケースが見受けられ、従来の労働集約型製造産業拠点としての存在価値が警鐘されていますが、日系企業の多くは高付加価値型製品に特化し、研究開発センターを置くなど、時代の流れを敏感に捉えた再投資が活発に行われています。


(2)貿易

 
■1998年~2015年の対日輸出入状況(ユーロ)
  対日輸入(カタルーニャ/スペイン*) 対日輸出(カタルーニャ/スペイン*)
1998年 18.51億(50%) 2.09億(23%)
1999年 21.97億(50%) 2.19億(20%)
2000年 25.55億(53%) 2.89億(24%)
2001年 23.58億(54%) 2.90億(24%)
2002年 24.01億(56%) 2.87億(28%)
2003年 28.28億(59%) 2.75億(28%)
2004年 34.78億(61%) 3.51億(30%)
2005年 28.89億(48%) 3.96億(34%)
2006年 29.79億(50%) 4.46億(35%)
2007年 31.55億(51%) 4.26億(32%)
2008年 24.95億(48%) 3.98億(26%)
2009年 13.48億(42%) 2.71億(22%)
2010年 15.74億(45%) 4.33億(30%)
2011年 15.96億(50%) 4.59億(25%)
2012年 14.93億(51%) 6.11億(29%)
2013年 12.14億(50%) 6.37億(28%)
2014年 12.81億(49%) 7.14億(27%)
2015年 16.69億(52%) 8.27億(33%)
出典:スペイン工業・観光・商務省
 

カタルーニャ州の貿易相手国は、EU加盟諸国が主要となっていますが、欧州以外では日本も同州にとって有数の貿易相手となっています。また、スペイン全体の輸出入高と比べても、対日輸入高はスペイン全体の半数、対日輸出高もスペイン全体の約33%を占めており、日本にとっても、カタルーニャはスペインの中でも重要な貿易相手地域であると位置付けることができます。

対日貿易において、輸出が輸入をはるかに下回る状況が続いていますが、州政府は、対日輸出促進を目的とした工業庁貿易促進局(COPCA)の代表事務所(現在、Acci10)を東京に設けており(1990年)、ファッション製品や医薬品、食品・アルコール飲料等を中心に輸出拡大に努めています。